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妖狐の国の座椅子あふたー
1 名前: ◆hs5MwVGbLE [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:01:07.75 ID:at/aFzqy0

本編

妖狐姫「わらわの座椅子となるのじゃ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489062020/

のおまけ的なスレ

初見の方も本編の方をぜひ読んでいってください

お願いします
(-ω-)


2 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:07:48.06 ID:at/aFzqy0


祝言の日から一ヶ月。

あの忙しくていろんなことがあった一週間と比べて、その日々はまったりと特に騒がしいこともなく過ぎていった。

男「んー…?」

まだ少し肌寒い朝、俺は何かが木に突き刺さる音で目が覚めた。


3 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:08:27.40 ID:at/aFzqy0
男「くぅこ〜?」

くぅこ「はっ、主殿。起こしてしまったでごじゃるか?」

襖を開けて縁側へ出ると、庭でくぅこが木の板を的に手裏剣を投げていた。

男「いや別にいいんだけどさ。体の方はもう大丈夫なのか?」

くぅこ「てんこ殿のお陰でもうすっかり元気でごじゃるよ。本日より護衛任務に戻るでごじゃる」

くぅこは胸をトンと叩いて任せろと言わんばかりに張り切っていた。


4 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:09:28.13 ID:at/aFzqy0
男「ははっ…無理はするなよ」

くぅこ「心得たでごじゃるよ。主殿はまだもう少し寝ててもいいでごじゃるよ?」

男「いや、折角だからもう起きとくよ…二度寝して深眠りし過ぎててんこさんに叩き起こされるのもアレだしな」

俺は縁側に腰をかけながら半笑いでそう言った。

男「手裏剣投げ、見せてくれよ」

くぅこ「…これは修行の一環で見せ物ではないでごじゃるが」

くぅこは少し恥ずかしそうにそう言うと木の板から手裏剣を引き抜きもう一度距離を取った。


5 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:10:45.27 ID:at/aFzqy0
くぅこ「せぃっ!」

彼女がもう一度投げた手裏剣は板の中心部に墨で描かれた円に見事命中した。

男「おお〜」

俺が軽く拍手をあげると彼女は何とも言えない様子で俺の顔を見た。

くぅこ「こんなもの見てて楽しいでごじゃるか?」

男「俺の世界にはダーツっていうスポーツがあってな…それ見てる気分」

くぅこ「なるほど。主殿の世にも忍者がいるでごじゃるか」

男「いやまあそのダーツやってる人は忍者じゃないんだけど…」

くぅこ「抜け忍ということでごじゃるか」

男「いや、多分そうでもないと思う」

…俺の語彙力が無いせいか、俺はあちらの世界の文化を伝えるのに度々手を焼くことがある。

もっと真面目に大学行ってればなって…


6 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:11:30.26 ID:at/aFzqy0
くぅこ「忍道を志さない者が投てきを極めるとは…理解苦しむでごじゃる」

くぅこ「主殿の世では謎の才に満ち溢れた者ばかりでごじゃるな。主殿もその例にもれないでごじゃるよ」

くぅこ「主殿も『だーつ』やってたでごじゃるか?」

男「いや…」

男(偏見だけど日本じゃリア充や意識高い系の嗜むスポーツって印象あるよ俺は…)

くぅこ「そうでごじゃるか。主殿の凛々しき投てき…少しばかり見てみたかったでごじゃるな…」

彼女の残念そうな顔を見ると俺は頭を抱えられずにはいられなかった。

男(ぼっちでもダーツやっとけばよかったぁ…)

男(カッコよく的に当てて『主殿!格好いいでごじゃるよ!』とか言われてみたかったなぁ…)

こういう具合に俺のあちらでの後悔の念は積もるばかりである。

…だから尚更こちらでは後悔しないように生きていこうと決めたわけだが。


7 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:12:40.94 ID:at/aFzqy0

男(ちょっとやってみようかな)

男「くぅこ、俺もちょっとやってみるよ。手裏剣の投げ方教えて」

男(今からでも遅く無い!隠れて練習してチョーカッコいい主殿見せてやるからな!)

くぅこ「ふぇ…?何故唐突に…まあ、いいでごじゃるが…」

男「貸して貸して」

彼女の持っていた手裏剣を何気なく手に取った。

くぅこ「あっ!安易に持つと危な…」

手裏剣の四箇所の刃先が俺の手のひらに同時に食い込んだ。


「ぎゃっ…ぎゃああああああああ!!!!」





8 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:14:27.10 ID:at/aFzqy0
…………

妖狐姫「…で、わらわを愛でるためのその手を勝手に負傷したというわけか」

妖狐姫「正にあほうじゃな」

いくら包帯があってもさすがに薬品を塗ったばかりの臭い手で妖狐姫を撫でることはできない。
彼女は心の底から機嫌を悪くしていた。


9 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:15:15.08 ID:at/aFzqy0
てんこ「旦那様…その手が自分だけの手ではないということを、もう少し自覚して欲しいな」

男「返す言葉もありません」

くぅこ「せっしゃが付いていながら…申し訳ないでごじゃるよ…」

妖狐姫「よい。うにゅは何も悪くないぞ?全てはそのあほうの自業自得じゃ」

くぅこ「せっしゃが付いていてこれだと、せっしゃが居なかったらどうなってしまうのか心配でごじゃるよ…」

くぅこの憐れみの視線が心に突き刺さる。

男(やめてくれ…そんな目で俺を見ないでくれ…)

自分でもよく分からないが俺はくぅこの前では必要以上に格好をつけようとする所がある…

だから逆に彼女にこうも下げた目で見られると辛いのだ。


10 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:18:17.02 ID:at/aFzqy0
くぅこ「でも今日からまたせっしゃが隣にいるから大丈夫でごじゃるな!」

駄目だ…くぅこは完全に保護者感覚だ。

妖狐姫「いやくぅこ…まだじゃな」

くぅこ「ほぇ?」

完全に今日から復帰する気満々だったくぅこを妖狐姫が止めた。

妖狐姫「その、なんじゃ…わらわは今までうにゅに頼り過ぎておる節があった…」

妖狐姫「その結果前のような悲劇を生んでしもうた…。あれはわらわのせいじゃ。反省しておる」

妖狐姫が珍しく人に向かって頭を下げた。

くぅこ「やっ!頭を上げて頂きたいでごじゃる!あれはせっしゃの慢心から生まれた油断もあってのこと…仕方ないでごじゃる」

妖狐姫「まあそう下手に出るでない。そこでじゃな…うにゅには普段の感謝の気持ちも込めて本日は休暇を取ってもらいたいのじゃ」

妖狐姫「偶にはその忍者装束を脱いで一般の街娘のように街で羽を伸ばしてもよかろう?」

男(なるほど。妖狐姫も偶にはいいこと言うじゃないか)

てんこさんやくぅこが我がままに振り回されながらもこのお姫様についてきたのは、彼女のこういうところを知っていたからかもしれない。


11 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:19:17.17 ID:at/aFzqy0
くぅこ「とっ、とんでもないでごじゃるよ!ただでさえこの一月、布団の中でこもっているばかりだったというのに…」

くぅこ「何か任務を貰えなければ満足に羽を伸ばすことなど、かえってできないでごじゃるよ…」

社畜の鑑である。

妖狐姫「ふむ…ならそうじゃな…」

妖狐姫は顎に指を添えて少し考えると何かいいことを思いついたのか拳で手のひらをポンと叩いた。


12 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:21:47.80 ID:at/aFzqy0
妖狐姫「そのあほうを街に連れていくのじゃ。そやつはまだ街に対しての馴染みが薄いからの。よい機会じゃろ、そやつにいろいろ教えてやるのじゃ」

くぅこ「え…そんなことしていいでごじゃるか…?」

妖狐姫「…そのような薬臭い奴の上に座ろうなどとは思わんわ。座椅子、うにゅは一日反省するのじゃぞ」

男「はいはい…」

妖狐姫「こういうときくらい真面目な返事をせんか!」

男「はぃ…」

男(母ちゃんかよ…)

てんこ「声が小さい!」

男「はーい!!」

男(先生かな?)

くぅこ「伸ばさぬ方がいいでごじゃるよ」

男「はい…」

男(優しいお姉ちゃんやこれは…)

…俺には、なんか保護者みたいな人がいっぱいいた。


13 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:24:25.02 ID:sdB+pUJqO





くぅこあふたー







14 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/03/18(土) 21:25:00.15 ID:sdB+pUJqO
なうろうでぃんぐ…


(-ω-)


15 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/03/19(日) 00:33:41.70 ID:d1ZZMcIso
アフター待ってた!
期待


16 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/03/19(日) 02:28:47.30 ID:FxR4MWQA0
頑張れくぅこ


17 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/03/19(日) 11:10:34.12 ID:GJrNSWZeo
くぅこいっちゃん好きや頑張れ


18 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/03/19(日) 21:36:49.60 ID:dZW5ECPs0
くぅこあふたー待ってたよ〜(* ̄∇ ̄*)



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