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妖狐の国の座椅子あふたー
338 名前: ◆hs5MwVGbLE [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:46:37.58 ID:bMRps9Kk0
妖狐姫「うにゅも中々座椅子の心得が分かってきたのう」

てんこ「光栄でございます姫様」

妖狐姫「あの日の夜にあやつからいろいろ学んだのかの?」

てんこ「あの日とは?」

妖狐姫「うにゅに座椅子を貸してやった日のことじゃ」

てんこ「え……?あ、えーっと……ですね……あの日の夜は……」

妖狐姫「む、なんじゃ急に心地が悪くなったの」

てんこ「も、申し訳ございません」


339 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:47:41.25 ID:bMRps9Kk0
妖狐姫「やはりあやつが恋しいのぅ……はよう帰ってこぬのか」

てんこ「……そうですね。私も早く旦那様とくぅこの顔を見て安心したいものです」

妖狐姫「ぬぅ、なんとかしてあやつの方からもわらわから離れがたいようにできぬものじゃろうか」

妖狐姫「やはりコウノトリとやらに認められるほど仲を深めなくては……」

てんこ「あ……はい。そうでございますね」

妖狐姫「む……?」


340 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:48:11.71 ID:bMRps9Kk0
妖狐姫「のうてんこ」

てんこ「はい。どうなされましたか」

妖狐姫「前にコウノトリとやらの話を座椅子にしたときにあやつからあわれむような視線を送られたのじゃが……」

てんこ「は、はぁ」

妖狐姫「何故か今のうにゅも同じような顔をしておるのじゃ」

てんこ「そ、そんなことは」

妖狐姫「うにゅの言っておったこと……はたして本当なのかの……?」

てんこ「う……」


341 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:48:52.27 ID:bMRps9Kk0
………………………………

男「う、うえぇ……」

くぅこ「くろこ殿、助かったでごじゃるよ」

くろこ「はいまいどあり。兄ちゃんもまたね〜」

くろこ式ジェットコースターを降りた俺は彼女の巻き起す土煙を背中で浴びながら一人えづいていた。


342 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:49:24.50 ID:bMRps9Kk0
男「ゴホッ!!ゴホッ!!うぇ……」

男(だからかかってんだよ。帰るときくらい歩け!!)

くぅこ「主殿……大丈夫でごじゃるか……?」

地に膝を着く俺の背中をくぅこが優しくさすってくれた。

……少し救われた気がする。

男「はぁ、さっきの土煙もそうだが道中も酷かったしおかげで全身ドロドロだ。こりゃ屋敷に上がったら一番に風呂だな」

くぅこ「それがいいでごじゃるな。せっしゃ主殿の背中を流させてもらうでごじゃるよ」

男(マジで?)

かなり救われた気がする。


343 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:49:59.31 ID:bMRps9Kk0
くぅこ「てんこ殿に戻ったと伝えてくるでごじゃる」

くぅこはそう言い残し、屋敷の塀をひとっ飛びで越えて行った。

男(あれじゃあ他の忍者も楽勝で進入できそうだな)

あまりの屋敷の警備のザルさに少し心配しながらも門の前で待機していると内側から門が開き始めた。


344 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:50:34.01 ID:bMRps9Kk0
男「ただい……」

門が開き、見えてきたてんこさんの姿に挨拶する前に俺の懐に弾丸のように妖狐姫が飛び込んできた。

男「うわぁ!!」

妖狐姫「座椅子っ!!」

男「あはは……ただいま……」

てんこ「おかえりなさいませ旦那様。姫様は夕方からずっと落ち着かない様子でな。大変だったのだぞ?」

妖狐姫「ぐしゅ……座椅子ぅ……」

男「なんで泣いてんだよ」

妖狐姫「うにゅにもしものことがあったら……わらわは……わらわは……」

男「おおげさだな。戦地から帰ってきたわけでもあるまいし」

男(いやちょっとした戦地だったか?)

まあそんなこと口が裂けても言えない。
多分もう二度と隣街へ行けなくなる。


345 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:51:16.60 ID:bMRps9Kk0
男「というか今俺にそんなにひっついたら泥つくぞ」

てんこ「たしかに酷い格好だな」

男「車屋をえらばないとこうなった」

てんこ「その車屋は儲かってるのか……?」

男「ははっ……どうでしょうか」

あれで儲かってるならこの世に車酔いという言葉は存在しなさそうだな。


346 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:51:46.44 ID:bMRps9Kk0
男「とりあえず風呂入っていいですか?」

てんこ「ああ、それは全然構わないが」

妖狐姫「ならわらわも一緒じゃ!!」

男「え」

てんこ「なっ!?姫様は先ほど私と入浴を済ませたばかりではありませんか」

男「そ、それに俺と一緒にだなんて……なぁ……?」

くぅこと背中を流し合うという俺の天国計画に若干の支障が出るではないか。

それは一大事だ。


347 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:52:26.43 ID:bMRps9Kk0
くぅこ「てんこ殿、良いでごじゃろう。たまには夫婦水入らずで裸の付き合いというのも」

てんこ「くぅこ……」

くぅこがそんなことを言いながらてんこさんの後ろから歩いてきた。

男「え?じゃあくぅこは……」

くぅこ「せっしゃは後で一人ゆっくりつからせてもらうとするでごじゃるよ」

男(そ、そんなにこにこした顔でこの世の終わりみたいなこと言わないでくれよ……)


348 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:53:12.09 ID:bMRps9Kk0
妖狐姫「座椅子、忘れたわけではあるまいな」

男「何をだよ」

妖狐姫「帰ってきたらいつもの百倍わらわを愛でるという約束じゃ」

妖狐姫「百倍というのは片時も離れることのないということじゃ」

男「え、そういう意味だったのか」

妖狐姫「うむ。今晩は風呂も寝るときも共に過ごすのじゃ」

くぅこ「それがいいでごじゃるよ」

男「ちょっと待っていやその……」

妖狐姫「そうと決まればさっさとゆくぞ!!専用の座椅子がいつまでも汚れていては座るに座れんからな」

俺の背後へと回り込んだ妖狐姫が両手で俺の背中をぐいぐいと押し、屋敷へ上げていった。

男「あの……俺のうはうは天国は……」

妖狐姫「何をわけのわからんことを言っておるのじゃ。さっさと歩かんか」

男「……はい」

こうして俺の救われたような気持ちは風に舞う灰のようして消えたのであった。

泣きそう。


349 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:53:52.30 ID:bMRps9Kk0
てんこ「……大丈夫なのだろうか」

くぅこ「てんこ殿?」

てんこ(……今の姫様は)

(少し、危険かもしれん)


350 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:54:23.85 ID:bMRps9Kk0






妖狐姫百倍の夜








351 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/05(水) 03:55:07.12 ID:bMRps9Kk0
なうろうでぃんぐ……

(-ω-)


353 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/07/05(水) 08:50:48.16 ID:NKQlC4rXo

これは気になる展開


354 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/07/05(水) 19:23:59.56 ID:BP1E/1LA0
妖狐と言うぐらいだから変化すんのかな?
百倍に…


355 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/07/07(金) 02:58:42.42 ID:o9YtV6MYo
コウノトリに認められるのか


356 名前: ◆hs5MwVGbLE [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:49:34.51 ID:m4Ar2j/P0
妖狐姫「極楽極楽なのじゃ」

だだっ広い湯船の中、長い金髪を短く留めた妖狐姫は俺にもたれかかってご満悦だ。

男(これ広いの意味ないよな)

これならあっちの世界の俺の家でもできそうなくらいだ。


357 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:50:07.41 ID:m4Ar2j/P0
妖狐姫「やはりわらわにはうにゅのおらん日なぞ考えられぬな」

男「あー、そのことなんだけどな」

妖狐姫「む?」

男「俺、いろいろあってしらこと友達になったんだ。んでまぁこれからも隣街に遊びに行くことにしたんだよ」

男「だからこれからも一月に一回は俺のいない日があるんだ」

これくらいの報告は前もってしとかなければ……何も言わずに行こうとして妖狐姫に引き止められて隣街に行けないとなるとしらこが可哀想だ。

妖狐姫「な……」

男「ごめんな」


358 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:52:07.47 ID:m4Ar2j/P0
先ほどまで上機嫌だった妖狐姫の顔はしょんぼりとした表情になり、今にも泣きそうな顔で俺をじっと見つめてきた。

男(さすがにそうなっちゃうか)

男「じゃ、じゃあさ、こんなのはどうだ?俺が隣街から帰ってきた日は必ずいつもの百倍お前の相手になるってのは」

男(まあ一緒に風呂入って寝るくらいなら……)

妖狐姫「っ……」

男(……あれ?)

十秒ほど、風呂場は沈黙の中を水音が泳ぐだけとなった。

やがて妖狐姫は身体をくるりとこちらへ向け、俺を見上げると口を開いた。


359 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:53:19.31 ID:m4Ar2j/P0
妖狐姫「うにゅは……この街に飽きてしもうたのかの?」

男「え?」

妖狐姫「わらわと寄り添うことに、飽きてしもうたのかの?」

男「そ、そんなわけ」

妖狐姫「なら何故そんなことを言うのじゃ!!」

妖狐姫は俺の首に腕を回すとそのまま抱きついてきた。

彼女の身体に巻いてあった布は水を吸って重くなったせいか彼女が軽く立ち上がると同時にずるりと落ちて湯のなかに取り残された。

妖狐姫「わらわはこんなにも……うにゅと離れがたいというのに」


360 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:53:57.32 ID:m4Ar2j/P0
妖狐姫は一糸まとわぬしっとりと濡れた柔肌を俺の全身に押し付けてその言葉を体現した。

男「ちょっ……落ち着けって……」

多分、落ち着いてないのは俺の方だが……

いつも膝に乗せている妖狐姫といえど、全裸でこうされると落ち着いていられるわけがない。

いや、俺が幼女好きかどうかなんてのはこの際関係ないだろう。

男(そうだろう!?くぅこ)

……近くにくぅこの気配はない。

男(マジで夫婦水入らずにしてくれたのかよ)

今はその気遣いが逆に憎い。

男(主殿が幼き姫様を襲ったりしたらどうするのって!!)


361 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:54:25.35 ID:m4Ar2j/P0
男「この街に飽きたとか、お前が嫌になったとかじゃないから……本当だって……」

妖狐姫「……ならその証明をするのじゃ」

男(前にもこんなことがあったような)

………………………………

『じゃっ、じゃが…そうじゃな。やはりしらこもほざいていた通り言葉だけというのは信用ならんな』

『行動で示してみせよ』

………………………………

男(そういえばこいつはそんなやつだったな)


362 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:54:59.85 ID:m4Ar2j/P0
そのことを思い出し軽く深呼吸すると俺は妖狐姫を抱きしめた。

男(……柔らかい)

彼女と初めて会ったときのことを思い出す。
服の無い彼女はあのときの何倍も柔らかかった。

……それこそ、百倍。

全身の肌が吸い付くように俺と密着する。


363 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:55:51.92 ID:m4Ar2j/P0
男「これでいいか?」

妖狐姫「まだじゃ」

男(駄目か)

これ以上を求められると本当にいろいろ危ないことになりそうだけど。

男「せ、せっぷん?」

……しないと駄目ですかね?やっぱり。

妖狐姫「そうではない」

男「ん?」

あれ、違うのか。



妖狐姫「……わらわと、子をなすのじゃ」






364 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:56:33.81 ID:m4Ar2j/P0
男「へ?」

男(妖狐姫と……え……?)

頭の中で次々と犯罪的な妄想が膨らんでいく。

あと妄想と一緒にいろいろ膨らんで

男(いや、ちょっと待て落ち着け俺!!)

重要なことを忘れていた。
それは彼女がまだ赤ちゃんはコウノトリさんが運んできてくれるものだと思っていることだ。

つまり彼女の言う『子を成す』ということはそれすなわちコウノトリさんが認めてくれるくらい彼女とイチャイチャすることだ。

それならなんともない。


365 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:57:02.53 ID:m4Ar2j/P0
男「あはは……いやでももう夜だしコウノトリさんは今寝てるかもしれないぞ?だからいっぱい仲良くするのは明日からでも……」

妖狐姫「てんこから聞いたのじゃ」

男「ん?何を?」

妖狐姫「しょの……正しい子のなし方じゃ……」

男(てんこさんおい)


366 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:57:39.76 ID:m4Ar2j/P0
妖狐姫「だからの?もしうにゅもわらわから離れがたいと思ってくれておるのなら……それを示してほしいのじゃ」

妖狐姫「……わらわと」

妖狐姫は上半身だけでなくじりじりと下半身も浮かせて近づけてきた。

妖狐姫「……血を混ぜあって」

男(あれ……?)

何かが変だ。

もくもくと白い湯気が立ち込める風呂場、しかしその湯気は次第に桃色に染められていった。

まるで湯気じゃない何かになるように。

それに伴い俺の頭も靄に包まれるように意識が朦朧としてくる。


367 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:58:16.16 ID:m4Ar2j/P0
上目遣いで俺を見上げる妖狐姫が目を瞑って顔を寄せてきた。

妖狐姫「ん……ちゅ……」

彼女の舌が俺の口内を舐めとるように這う。

その感触が、死ぬ程気持ちいい。

妖狐姫「ちゅっ……れろ……ちゅっ……」

男(なんだ……これ……)


368 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:59:07.58 ID:m4Ar2j/P0



幻覚を見た。




大口を開けた狐の化け物が、俺の頭を丸呑みにする。




……そんな幻覚。





369 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 01:59:41.98 ID:m4Ar2j/P0
男(駄目だ。なんかよく分からないけど、これは駄目だ!!)

男「ぷはっ……!!」

幻覚のせいか、それとも俺の最後の理性がそうさせたのか、一瞬恐怖にも似た感情を抱いた俺は妖狐姫の両肩を持って彼女を突き放した。

男「はぁ……はぁ……」

妖狐姫「座椅子……?」

俺に拒絶されたかのように感じてしまったのか、彼女はまたも涙目で俺を見た。

男(な、なにかフォローを)

男「ちょっとのぼせそうになった……そろそろ上がろうぜ」

俺は彼女の手を引いて風呂場を出た。


370 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:00:24.24 ID:m4Ar2j/P0


男「ほら、身体拭いてやる」

乾いた手ぬぐいで彼女の全身を拭いていく。

上から順番に、肩、胸、背、腹、尻、太もも

妖狐姫「んっ……」

男(……すべすべだ)

最後に別の手ぬぐいで彼女の髪をわしゃわしゃと包んだ。


371 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:01:10.99 ID:m4Ar2j/P0

男「はい終わり」

妖狐姫「……座椅子」

男「ん〜?」

妖狐姫「今日は、寝るときも一緒じゃぞ?」

『今日は寝るときも一緒』帰ってきたときにも聞いたその言葉の意味は全く違うものとなって脳に認識された。

男「う、うん。分かってる」

やっぱり、何かが変だ。

今日は彼女の上目遣いを見るといつもより妙にどきどきしてしまう。

『可愛い』を超えた感情を抱きそうになってしまう。

誰もが一度は思ったことがあるであろう、あの風呂上がりに鏡を見たら『あれ?俺って結構イケメンじゃね?』と思ってしまうアレ。

アレがもし女の子にも適用されるならそれのせいかもしれない。

……とか?

男(ないか)


372 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:01:44.30 ID:m4Ar2j/P0
白い襦袢を羽織った妖狐姫は風呂場の脱衣所の戸に手をかけると最後にもう一度だけこちらを向いた。

妖狐姫「……先に部屋で待っておるぞ」

そう言い残し彼女は脱衣所を後にした。

男「はぁ……」

男(どうしよう。妖狐姫が百倍可愛い)

頭を抱えていると外側から誰かが戸を叩いた。

男「はい?」

男(くぅこかな?)

「旦那様、少しお話が……」

男「あれ?あ、はい!!ちょっと待っててください」


373 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:02:29.87 ID:m4Ar2j/P0
……………………

男「で、話とは」

服を着た俺は妖狐姫の部屋へ行く前にてんこさんの部屋へ寄っていた。

男「さ、先に言っときますけど!!別にあいつには何もしてませんからっ!!」

もしそのことで俺を叱ろうというのなら止めてほしい。
むしろ何もしなかった俺を褒めてほしいくらいだ。


374 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:03:03.28 ID:m4Ar2j/P0
てんこ「その逆だ。私は旦那様の心配をしていたのだ」

男「え?俺の、心配を?」

てんこ「そうだ」

てんこさんは湯飲みに淹れた茶を一口すすると話し始めた。

てんこ「……実は、領地主の血筋を持つものは年頃になるとその子孫を残すために無意識に異性を引き寄せるための妖気を出すのだ。後継者を確実に作るためにな」

てんこ「旦那様がそれに当てられてないか心配になったのだ」

男(なるほど、あの変な感じや桃色に見えた湯気はその妖気が原因か)


375 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:04:01.15 ID:m4Ar2j/P0
男「正直……当てられてました」

原因がはっきりしているならてんこさんも怒るまい。

てんこ「はぁ、やはりか」

男「あの、やっぱり腹くくれってことですか……?」

てんこ「まぁ、たしかに姫様ももう子どもを産めないわけではないし、街のためを思うならそういうことも早いに越したことではないのだが……」

てんこ「姫様ほどの幼い身体で子を産むとなるとそれだけで姫様の命の危機に繋がる」

てんこさんの言葉は何処か尋常じゃない重みを感じた。


376 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:04:31.53 ID:m4Ar2j/P0
男(まるでそういうことがあったかのようだな)

………………………………


『実は姫様の母上は姫様をお産になったさいに他界されて…』

………………………………

男「っ!!まさか……」

てんこ「ああ、そのまさかだ。姫様の母上は姫様ほどの歳で亡くなっておられる」

男(お、お義父さん……あんたって人は……)

英雄、色を好みすぎた。


377 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:05:08.21 ID:m4Ar2j/P0
てんこ「だから姫様にはまだご自身の成長を待ってほしかったのだ……それは叶わぬことではなかったはずだったのだが……」

てんこ「今回の件で姫様の中の旦那様への想いが爆発してしまったようなのだ」

てんこ「旦那様!!どうにかして姫様のお気持ちを落ち着かせてほしいのだ!!」

男「ど、どうやって……」

てんこ「それはもう……いつもの百倍姫様のお相手をするしか……」

もう百倍ってなんだよ。


378 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:05:52.15 ID:m4Ar2j/P0
てんこ「しかしやはり旦那様も殿方……血筋の妖気に当てられてずっと劣情を抑えていろというのは酷だろう」

男「……まぁ」

てんこ「だから」

てんこ「ど、どうしても我慢できなくなったときは……またこの部屋へ来てほしい。私が旦那様の……を……介抱しよう……」


379 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:06:34.49 ID:m4Ar2j/P0
男「え……」

てんこ「う、嘘じゃないぞ!!これも姫様のため……私は本気だ!!」

本気だと分かってもらうためだろうか。
てんこさんは顔をずいと寄せて俺に迫った。

絶対無理してる。

男「あ、あの……分かりました。分かりましたから」


380 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:07:03.98 ID:m4Ar2j/P0
男「じゃ、じゃあ万が一のことがあったときは……よろしくお願いします」

俺は畳に手をついて立ち上がると決意した。

男(てんこさんの手を煩わせるわけにはいかない)

耐えねば。

てんこ「旦那様……」

男「失礼します」


381 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:07:54.18 ID:m4Ar2j/P0
…………………………

廊下に出た俺は両手で自らの頬を挟むように叩いた。

男(……ちょっとてんこさんもいつもより可愛いなって思っちまったじゃねーか)

男(あーあーくそ!!一日屋敷を離れただけでみんながこんなにも愛おしく感じるなんて)

ホームシックも百倍だ。

男「はぁ……さて、どうしたもんかね」

男「……そういやくぅこは今頃風呂場か」

男(ちょっと、脱衣所に戻るか)


382 名前:SS速報Rがお送りします [saga] 投稿日:2017/07/08(土) 02:08:27.87 ID:m4Ar2j/P0
なうろうでぃんぐ……

(-ω-)


384 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/07/08(土) 13:31:21.43 ID:0w4sEvN1O
これはツライ状態ですね(ゲス


385 名前:SS速報Rがお送りします [sage] 投稿日:2017/07/08(土) 17:08:07.51 ID:C8dfoMaA0
こうのとりさん来るのかな?
くぅこの所にww



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